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北海道の鹿は
本当に害獣なのか

本川哲代(もとかわ あきよ)さんは、苫小牧支部の猟友会に所属し、地元の鳥獣被害防止・低減に貢献している。北海道内で急激に増え、深刻な農林業被害や自然環境への影響をもたらしているエゾシカ。道のまとめによると、シカによる道内の農林業被害額は2018年度で38億6千万円。同町でも1億円を超え、駆除対策の意義は大きい。

 同町に来て狩猟を本格的に始めて8年、哲代さんは「野生動物の命を奪う瞬間に慣れることはない」と話す。たとえ有害駆除であっても、圧倒的な力を持つ銃で野生動物を撃つ行為に葛藤がつきまとう。「あまりに多くの数を撃つことになり、引き金を引くのが嫌になるほど。でも、殺すのがかわいそうというだけでは、シカ増加の問題は解決できない」。人間とシカが共存していくための厳しい現実がここにはある。
 「だからこそ、趣味として狩猟や駆除のためだけに命を奪うことはしたくない」と哲代さんは力を込める。「生き物を捕るからには、かけがえのない命を無駄にせず、大切にいただく責任がある。それが、私のハンターとしての揺るぎない信念」。

おいしく食べられるシカが増えれば
“害獣”ではなくなる

 シカ肉はくさくて、かたい──。そんなイメージは、処理が不十分な状態で食卓に並んでいた大昔の名残だ。腕利きのハンターにきちんと仕留められ、血抜きされたシカは、くさみはないし、口の中でほどけるような食感で、脂までおいしい。
 「先輩ハンターが撃って、解体したシカ肉を初めて食べた時は、そのおいしさに本当に驚いた。モモ肉の炭火焼をワサビしょう油で、というシンプルな調理法で食べたのだけど、脂ののりがよく、赤身の味も濃くて絶品だった。むかわには、おいしさを引き出す伝統的な知恵があり、ああ、これが本物のシカ肉の味なんだと感動しました。
 もしシカ肉がおいしくなかったという方がいたら、獲った人間の目利きと腕が悪かったということ。一度、むかわ産のシカ肉にチャレンジする機会をつくってほしい」。
 哲代さんの一押しは「いっぽんこ」と呼ばれる1才になったオス。「脂ののりがよく、すき焼き・しゃぶしゃぶ用にスライスした肉は、特に脂が甘くおいしい」という。「シカ肉は、牛肉や豚肉より高タンパク、低脂肪で、鉄分が多いのも特徴。ヘルシーなので、女性や高齢の方、お子さんにもぜひ味わってほしい。きっとファンになってもらえるはず」と自信を見せる。
 シカをおいしく「いただく」には、射撃から加工まで確かな技がいる。「おいしく食べられるシカが増えれば、“害獣”のレッテルを剥がせるかもしれない」と考えた哲代さんは、ハンターとして「命を奪うだけでなく、生かしてあげたい」と食肉処理場の開設を決断した。施設はソーセージなどを製造していた同町春日の旧食肉加工場を活用。自治体や地域住民の支援、協力を受け改修を進め、2016年2月に「むかわのジビエ」を開業した。

おいしく調理してくれる料理人にだけ、
細かな情報とともに提供する

近年、野生鳥獣を使ったジビエ料理の知名度が上がっている中、「むかわのジビエ」では哲代さんら地元のハンターが捕獲したエゾシカを運んで解体。枝肉に切り分けて、道内外のレストランに発送している。ミシュランガイドにて星を獲得しているお店はもちろん、グルメレビューサイトで評価が高いお店が多い。哲代さんが目指すのは、「猟をする人、解体する人の顔が見える正直なシカ肉屋さん」。命を扱っている以上は、「シェフ、料理人との信頼関係が何よりも重要。食の意味の捉え方、命への感謝と敬意の念といった根本のところでわかり合えない方とは取り引きできない」という。一方で、哲代さんが信頼を置くシェフ、料理人とのやり取りでは、いつ、どこで、どのように撃った何歳のシカなのか、捕獲したシカの状態についてできる限りの情報を提供することにしている。これには「解体前の状態を見なければ、調理はできないはず」という哲代さんのこだわりがある。「シカは家畜ではないので、季節や年齢によって味がずいぶん変わってくる。一頭一頭、個体によってその状態はさまざまで、それを確認しないことには調理法を見極められない。このことをよく知っているシェフのシカ肉料理は本当に素晴らしいので、ぜひたくさんの人に味わってほしい」と実感を込めて話す。

「結局、人間が動物を殺して食べることに変わりはないんじゃないか、と非難する人はいるでしょう。でも、人間の生活を守るために野生動物を駆除する。それを粗末にせぬようしっかりといただくこと。そのことを忘れてはいけないと思う。食べる以上に殺している現在だからこそ、丁寧に撃ち、食べ物にする。生き物を食べ物にするのはとても難しい」。
 人生は一度きり。だから「やりたいことをやる。やり続ける」と哲代さんは真っ直ぐ前を見据える。「私もいつかは銃を置く時が来る。その日のために、次の世代に残したいことの種まきをしているつもり。その想いは必ず誰かが“育て花”となり、“種子”を残し、受け継がれるものになると思うから」。
 「命をつなぐ」ために継承される、むかわ流の猟の心と技。優しい笑顔の奥に強い信念と覚悟を秘め、哲代さんはシカと人間の間に入り、山の命の循環を支えている。

むかわのジビエ しゃぶしゃぶ・すき焼き用 鹿肉薄切り(500g×2パック)
むかわのジビエ しゃぶしゃぶ・すき焼き用 鹿肉薄切り(500g×2パック)
むかわのジビエ しゃぶしゃぶ・すき焼き用 鹿肉薄切り(500g×2パック)
むかわのジビエ しゃぶしゃぶ・すき焼き用 鹿肉薄切り(500g×2パック)
内容

むかわのジビエ しゃぶしゃぶ・すき焼き用 鹿肉薄切り(500g × 2パック)
8,900円
(税込・送料込)沖縄県660円加算
賞味期限
冷凍 2ヶ月
解凍後 2日(要冷蔵4℃以下)
美味しい食べ方
(1)食べる前日に冷蔵庫、またはチルドルームでゆっくり解凍します。
(2)脂身にしっかり火を通してください。鹿の脂身は融点が高いので火をしっかり通しましょう。
(3)すき焼き、しゃぶしゃぶとも、脂身が透明になったら食べごろです。
注意点

※こちらの商品は《冷凍品》のためクール(冷凍)便でお届けします。 ※年末は、交通渋滞等により、商品の配達に遅れが生じる可能性がございます。 ※解凍後は2日以内にお召し上がりください。 ※商品写真はできる限り実物の色に近づけるよう努めておりますが、 ご利用のモニター設定や、お部屋の照明等により実際の商品と色味が異なる場合がございます。 実際の商品とは仕様や加工、サイズ等が若干異なる場合もございます。予めご了承ください。








 
配達希望日に関しまして、12月22日〜25日、29日〜30日、1月1日〜2日のいずれかをご指定ください。

むかわのジビエ しゃぶしゃぶ・すき焼き用 鹿肉薄切り(500g×2パック)

商品コード : A201027
製造元 : むかわのジビエ
価格 : 8,900(税込)
数量
 

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